生物の分類
→生物は真核生物と原核生物、ウイルスに分けられる真核生物と原核生物の違いは?
→核膜を持つかどうか。真核生物は核膜を持ち、原核生物は核膜を持たない。核膜のあるなしでなんかあるの?
→核膜がない=抗生物質が有効。真核生物の種類は?
→原虫、真菌原核生物の種類は?
→細菌、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア細菌とマイコプラズマの違いは?
→マイコプラズマは細胞壁を持たない。偏性細胞寄生性とは?
→生きた細胞に寄生しないと生きられない。偏性細胞寄生性を持つ微生物は?
→リケッチア、クラミジア、ウイルス細菌の発育と増殖のポイントは?
→細菌は2分裂し増殖する。2分裂する時間を世代時間という。世代時間は一般細菌は20分〜30分と短く、抗酸菌は14時間〜16時間と長い。
細菌の分類は?
細菌は球菌、桿菌、らせん菌に分けられる細菌細胞は細胞壁と細胞膜に囲まれ、細胞質内に核様体やリボソームを持つ
グラム陽性菌とグラム陰性菌の細胞壁の違いとは?
→グラム陽性菌は厚いペプチドグリカン層の1層構造。グラム陰性菌は内側からペプチドグリカン層、リポ蛋白層、リポ多糖+リン脂質層の3層構造。→だから染まり方に差が出る。
莢膜とは?
→細胞の外側にみられる境界明瞭な厚い粘調性の層の事。鞭毛と線毛の違いは?
→線毛は細菌が組織に付着するための器官(定着因子)→鞭毛は細菌が運動するための器官
芽胞とは?
→発育環境が悪くなった時に作られる休眠型細胞(バリア)細胞質内で起きる化学変化を代謝といい、異化と同化の作用がある
異化とは?
→炭水化物や脂肪などを分解してATPの形でエネルギーを得ること。同化とは?
→ATPを使って物質や化合物を合成すること。異化には酸素を必要とする呼吸(好気的酸化)、酸化を必要としない発酵(嫌気的酸化)の2種類ある。
細菌の増殖曲線は4期に分けられる。
①誘導期→新しい環境になれる準備期間
②対数増殖期→どんどん増殖する期間
③静止期→増える細菌と死ぬ細菌が釣り合う期間
④減少期→死ぬ細菌が増える細菌数を上回る期間
細菌数の測定は生菌数測定と、全菌数測定がある
生菌数測定のやり方→平板塗抹培養法、定量白金耳法
全菌数測定のやり方→比濁法
細菌の染色法には単染色、鑑別染色、特殊染色がある
単染色には何があるか?
→メチレンブルー染色とパイフェル染色
鑑別染色には何があるか?
→グラム染色、抗酸菌染色
グラム染色とは?
①クリスタルバイオレット(前染色)
②ルゴール(媒染)
③メタノール(脱色)
④サフラニン(後染色)
・グラム陽性菌(青)→メタノールで脱色されない
・グラム陰性菌(赤)→脱色後、サフラニンで染色
抗酸菌染色とは?
チールネルゼン染色、蛍光染色がある
抗酸菌は通常の染色では染まりにくい。しかし加温染色で染色すると脱色されない性質がある。
チールネルゼン染色とは?
①石炭酸フクシンで加熱染色(前染色)
②3%塩酸アルコール(脱色)
③メチレンブルー(対比染色)
・抗酸菌は赤色に染まる。
蛍光染色とは?
①ローダミンB、オーラミンO(加熱染色)
②3%塩酸アルコール(脱色)
③メチレンブルー(対比染色)
・暗い視野で抗酸菌は燈黄蛍光の桿菌として染まる。
特殊染色とは?
→細菌の特殊な構造を観察するための染色
・異染小体染色→ジフテリア菌、ナイセル染色、アルバート染色
・鞭毛染色→レイフソン法
・芽胞染色→メラー法、ウィルツ法
・莢膜染色→ヒス法
・墨汁染色→クリプトコッカスの莢膜、スピロヘータ
細菌の栄養素について
・自家栄養菌→無機物
・従属栄養菌→無機物と何らかの有機物
・無力栄養菌→寄生した宿主からエネルギーを得る
培養について
・分離培養→1つの検体から培養、何種類かの微生物を増やす
・純培養→分離培養で一種類の微生物の集落を別の培地に移し、増やす
・継代培養→純培養で得られた微生物を死滅させないように新しい培地に塗りついでいく
培地の種類は?〜形状編〜
寒天平板培地→シャーレに寒天を入れて固めた培地
高層寒天培地→試験管を垂直にして固めた培地
斜面培地→全部が斜面な高層培地
半斜面培地→上部3分の1が斜面な高層培地
半流動培地→寒天濃度を半分にした高層培地。運動性を確認
培地の種類は?〜目的編〜
増菌用培地→増殖や保存が目的
分離培地→鑑別培地と選択培地がある。
・鑑別培地→菌群や菌種の鑑別が目的
・選択培地→目的菌以外の増殖を抑制し、特定の菌種の発育や鑑別が目的
菌の発育条件は?〜空気編〜
※二酸化炭素はすべての細菌の増殖に必要!
好気性菌→大気環境と同じ酸素濃度でのみ増殖可能
通性嫌気性菌→酸素の有無に関わらず増殖可能
微好気性菌→カンピロバクターやヘリコバクターなど酸素濃度5%前後で発育
偏性嫌気性菌→無酸素状態でのみ発育。酸素があったら発育阻害される。
耐気性嫌気性菌→酸素があっても死滅しないが、酸素を利用できない菌
菌の発育条件は?〜温度編〜
高温菌→45〜75℃
中温菌→15〜45℃
低音菌→0〜25℃
菌の発育条件は?〜pH編〜
多くの病原細菌→弱アルカリ性(7.0〜7.5)
コレラ、腸炎ビブリオ→アルカリ性(7.6〜8.0)
結核菌→酸性(6.0付近)
菌の発育条件は?〜浸透圧〜
ほとんどの細菌→生理食塩水と同程度。塩分濃度1.5%以上だと死滅。
ブドウ球菌属→耐塩性、塩分濃度1.5%以上でも発育
腸炎ビブリオ→好塩性、高塩分濃度でないと発育できない。
菌の培養法の種類は?空気編
好気性培養→大気
炭酸ガス培養→5〜10%の二酸化炭素
微好気性培養→窒素85%、二酸化炭素10%、酸素5%→カンピロバクター、ヘリコバクター
嫌気性培養→酸素ゼロ→ロールチューブ法、嫌気チャンバー法、触媒法
菌株の保存方法は?
継代培養法
凍結保存法
乾燥保存法
プラスミドとは?
染色体と独立した自己複製能を持つ環状DNA。
Fプラスミド(性因子)とRプラスミド(耐性因子)がある
接合とは?
性線毛を介して菌と菌の間でDNAを移行する事。
プラスミドを伝達する事で菌が耐性をもったりする
形質導入とは?
ファージを介して細菌の遺伝子が伝達される現象。
ファージとは細菌に感染するウイルスの事。
形質転換とは?
菌からDNAが裸のまま飛び出し、それが別の菌が取り込んで新しい遺伝子を獲得する現象
突然変異とは?
突然、遺伝子が変化し、もとに戻らずに安定して遺伝する事。
トランスポゾンとは?
遺伝子が固有の構造と機能を保持したまま転移できるDNAの配列単位
感染症の遺伝子診断
ハイブリダイゼーション法とPCR法がある
ハイブリダイゼーション法とは?
DNAやRNAの中で目的とする部位を標識プローブとハイブリダイズする事で検出する方法
①2本鎖DNAを1本鎖DNAに変性
②1本鎖DNAに標識プローブをハイブリダイズ
③標識プローブを検出する
プローブとは?
染色体DNAやプラスミドDNAなどを制限酵素で切断し精製された1本鎖のDNA断片。
ハイブリダイズとは?
相補性のある塩基配列が結合し2本鎖DNAを形成する事。
PCR法とは?
検体内にDNAやRNAの断片があれば、それを人工的にプライマーで増殖させ、検出する方法。
①熱変性→95℃で2本鎖DNAを1本鎖DNA(鋳型DNA)にする
②アニーリング→55℃で鋳型DNAにプライマーを結合させる
③伸長反応→72℃でプライマーが伸長し、相補的DNAが複製される。
④①〜③を繰り返し、DNAをどんどん複製させる
プライマーとは?
目的の鋳型DNAに相補的で、その部位に結合する短い1本鎖DNARNAの事。